休息法

【休息法】精神の疲労を癒す7つの方法!

こんにちは!休職者向け心理カウンセラーのいとまです。

「なんだかいつも疲れている」
「どれだけ寝ても,体がだるい」
「集中力が続かない,些細なことが気になる」

など当てはまる人は脳が疲労しているからかもしれません.

大抵の人は疲れていると体を休めますが,それだけでは回復しない疲労があります.
それが“脳の疲れ“です。脳の疲れは、脳みそに適した休み方をしないと癒すことが難しいです。
本日は、脳みその疲れを取るために精神の疲労を癒す7つの具体的な方法についてご紹介していきます。

1つ目:マインドフルネス呼吸法(過去や未来ばかり考える)

こんな場合に効果的!:過去や未来ばかり考えてしまう方へ

注意力が低下したり,無気力やイライラを感じたら,脳が疲労している証拠です.
その原因は意識が過去の出来事や体験を思い出したり,将来に対して不安を感じており,今ここ現在に意識が向いていない状態です.
現在に意識を向ける休息法をすることで疲れづらい脳に変えていくことができます.

①リラックスできる姿勢をとる
・椅子に座ったり,正座をしましょう(背筋が軽く伸びていれば大丈夫です)
・お腹の力は抜く(軽く揉んでほぐしておきましょう)
・手は太ももの上か坐禅をしているようなお椀型に組む
・目はできれば閉じる(開いていても遠くを見る)

②体の感覚に意識を集中する
・手先,足の裏と床,お尻と床や椅子など接触の感覚
・重力を感じる(体が地球に引っ張られる感覚)

③呼吸に意識を向ける
・鼻から喉,胸,お腹と呼吸が通っていく感覚を意識する
・呼吸は自然なリズムで(無理に長くしない)
・呼吸の数を数える

④意識が逸れてきたら
・雑念が浮かんできたら,呼吸だけに意識を集中する
・雑念は浮かんで来るのが自然なので,再度呼吸と体に意識を戻せばいい

ポイント

  • 一日五分程度行う
  • 毎日行うことが大切
  • 同じ時間と同じ場所だと効果が上がる

二つ目:ムーブメント瞑想(気づくと考え事をしている)

こんな場合に効果的!:気づくと考え事をしている場合

仕事をしていると多くの作業を同時にこなしていかなければなりません.多くの働いている人は何かを「しながら」別のこともやっています.日常的な所作の中で,「自動操縦」の状態になっている時は頭に雑念が浮かびやすく,これが状態化してしまうと一つのことに集中できなくなってしまったり,注意力が著しく落ちたりします.
“ムーブメント瞑想“を行うことで,止まらない考え事を落ち着かせることができます.

①歩行瞑想
・ゆっくり歩く
・腕の振り,手足の筋肉,関節,足裏の地面に意識を向ける
・「右足を上げる」「左手を上げる」など自分の動きに心の中で命令する

②直立姿勢のムーブメント瞑想
・足を肩幅に開いて立つ
・両腕を力を抜いて垂らし,ゆっくりあげ万歳のポーズを取る
・腕の筋肉.関節の動きに集中する
・血液が下がるような感覚や重力に意識を向ける
・万歳をポーズをしたらゆっくり下げる

③座位姿勢のムーブメント瞑想
・椅子に座ったまま後ろ向きに肩をゆっくり回す
・一周したら今度前向きにゆっくり回す

④日常の些細な動きに瞑想を取り入れる
・朝の身支度(服をきたりはを磨いたりすることをゆっくり意識する)
・自動車の運転や,自転車を漕ぐ際なども筋肉,関節の動きに集中する
・毎日続けている動きに意識を向けると瞑想の効果が上がる

三つ目:ブリージング・スペース(症状が出ている)

こんな場合に効果的!:ストレスが原因で症状が出ている場合

ストレスは感情,脳内の現象ですが,慢性化してくると体にさまざまな影響が出てきます.
身体のだるさや肩こりの症状から,激しい腹痛,胃腸の炎症など.ストレスによる身体への影響は脳の使い方で改善していく方法があります.

①抱えてるストレスに気づく
・マインドフルネス呼吸法を行う(リラックスできる姿勢になる)
・ストレスの原因を書き出す
・書き出した内容を思い浮かべた時,心と身体の状態がどうなっているか確認
(心と身体の反応をみる)

②呼吸に意識を向ける
・呼吸をゆっくり数える
・身体の緊張を解いていく
・肩や腰など,固まっている場所をほぐす

③身体に意識を広げていく
・呼吸→身体に意識を広げるイメージ
・息を吸う時,ストレスに反応した部位に空気を入れていくようなイメージ
・緊張している部位がほぐれていく感じを持つ
・意識を呼吸→身体→周りの空間に広げていく

ポイント

  • 身体的な疲労も,脳が感じています
  • ストレスの原因を書き出すことで,何にストレスを感じていたか明確化し,自分の「認知の歪み」を客観視できる.

四つ目:モンキーマインド解消法(考えすぎている

こんな場合に効果的!:考えすぎて思考がループしている場合

一日の中で,頭の中で同じようなことを何回も考えている時があります.雑念をぐるぐると巡らせている状態は「モンキーマインド」と呼ばれ,この状態では脳のエネルギーが多く消費されてしまいます.疲労が抜けず,睡眠不足の原因にもなってしまいます.
“モンキーマインド“を脱するには,何度も考えてしまう雑念に“名前“を与えて“認知“を変えていく必要があります。

①捨てる
・思考に名前をつけて「これは何度も考えた」という事実に気づく
・思考がまた浮かんできたら「もう十分」と頭の外に送り出すイメージを持つ

②例外はあるか考える
・浮かんでくる思考に当てはまらないケースはあるか考える
・例外を考える前に前提の条件は同じにする

③自分ではない思考で考えてみる
・自分が尊敬する人ならどう考える?
・歴史上の偉人ならどう考える?
・“雑念“と“雑念を抱く自分“は同一ではないと気づく

④正しいこと,間違っていることで判断しない
・判断しない(ノンジャッジメント)を意識する
・“今ここ“を意識す

⑤原因を探ってみる
・自分の根っこの願望や欲がなんなのか考え出す
・声に出したり,書き出したりして思考を整理する
・マインドマップを活用する(ネットで無料で使える。無料だと一日の使用回数に限りがあったりする)

五つ目:RAIN(激しい衝動や怒りがある)

こんな場合に効果的!:激しい衝動や怒りがある場合

脳に過度なストレスがかかると,本能や感情に由来する扁桃体が過剰に反応します。通常,理性に関係する前頭葉がそれを抑えますが,瞑想を行うことで,押さえつけず理性と本能の均衡を保つことができます。激しい怒りを感じた時はRAINの4ステップを行い,衝動をコントロールしてみましょう。

①Recognaize(認識)
・自分の中に怒りが湧いていることに気づく
・怒りと怒っている自分を別に感じる

②Accept(受容)
・怒りが起きている事実を受け入れる
・怒りの正誤を感じる前に,そのまま許す

③Investigate(検証)
・怒った時の身体の状態を感じとる
・身体の部位はどこが緊張している?
・心拍数は上がっている?

④Non-Identification(距離をとる)
・怒りを自分から切り離す
・他人事のように考えてみる

ポイント

  • 怒り以外の突発的な緊張や不安にも効果があります
  • 意識が高いと,心のゆとりがなくなってしまう場合があります
  • 心を落ち着けるにはマインドフルネス呼吸法も効果的です

六つ目:やさしさのメッタ(特定の人が好きになれない)

こんな場合に効果的!:特定の人にマイナス感情がある場合

誰しも気が合わない人,どうしても好きになれない人がいます。
実際ストレスの大半は人間関係の中から生じます。アドラー心理学で有名なアドラーが「すべての悩みは人間関係である」と言っているくらいです。
嫉妬や怒り,妬みなどマイナスな感情を減らし,逆に人に対し愛情や慈しみを感じるために脳に疲れが溜まりづらい状態をつくっていきましょう。

①マインドフルな状態をつくる
・マインドフルネス呼吸法やムーブメント瞑想が効果的
・マイナスな感情から“今ここ“に意識を向ける

②マイナスな感情の原因になっている人を思い浮かべる
・ストレスの原因になっている人をイメージする
・身体の状態に意識を向ける(身体の緊張,脈拍)
・心の状態に意識を向ける(マイナスな感情が湧いてくるか)

③心の中で特定のフレーズを唱える
・「あなたがさまざまな危険から安全でありますように」
・「あなたが幸せでありますように,健康でありますように」
・心の底から思えないのは当たり前
・フレーズを唱えるだけで良い

七つ目:ボディスキャン(身体の痛み)

こんな場合に効果的!:身体の違和感,痛みが生じている場合

脳の状態は,自律神経やホルモンを介して身体に反映されます。
脳の疲労の蓄積がひどくなってくると,疲労感や身体の一部にほてりが生じ、ひどい時には局所的な痛みが生まれます。最初に紹介したマインドフルネス瞑想は痛みに対しても強い脳の構造をつくっていくことができます。

①横になって呼吸に意識を集中する
・呼吸によって胸が膨らむ感覚やお腹の上下に集中する
・ゆっくり息を吸い込む

②左足の爪先に意識を向ける
・足先の感覚に集中する
・床と接している踵の感覚
・指の感覚,足裏の感覚

③身体を順繰りに意識を向ける
・息を吸い,鼻,胸,お腹,左の太もも,左足の先まで意識を向けていく
・空気が吹き込まれていくような意識を持つ
・息を吐き,左足の先から鼻まで空気が抜けていくように意識を持つ

④同様に全身を行う
・左足が終わったら右足,左右の腕,頭なども行う
・痛みがある部位を観察し,痛みの強さ,どんな痛みかに気づく
・肩こりや,腰の痛みなど,感覚の変化に注意を向ける

まとめ

精神の疲労を癒す7つの具体的な方法についてご紹介しました。
身体の症状や精神の状況によってて適した休息法使うことによって、脳の疲労を癒すことができます。
また、一日5分だけでも続けるだけで、驚くほど効果が出てきます。

朝起きた時や夜寝る前など、続けていくと次第に脳が疲れにくい構造にもなっていきます。
マルチタスクが求められる現代において、脳を休ませる方法は必須と言っていいかもしれません。
ぜひ活用してみてください。

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