あなたは一日のうちに何時間、座ってデスクワークを行っていますか?現代人は一日の約60%程度を座っているといわれています。
また、シドニー大学での22万人以上に及ぶ調査結果では1日の座位時間が11時間を超えると死亡リスクが4時間未満に比べて40%以上も上昇します。この死亡率は喫煙以上であるという結果も出ています。
一日の大半をデスクの前で過ごされる方向けにデスクワークについて本当に身体に悪いのか。日本人はどれくらい日々座っているかなど解説します。
①座りっぱなしが寿命を縮める?
オーストラリア(シドニー大学)では,22万2000人以上に及ぶ調査を実施し,1日の座位時間が8〜11時間だと,死亡リスクが1日4時間未満と比べて15%も上昇。座位時間が11時間を超えるとさらにリスクが高まり,40%以上も上昇することがわかりました。
この死亡率は喫煙以上であると研究結果が示されています。
- 一日座位時間:11時間以上 → 死亡リスクが40%上昇(4時間未満と比べて)
- 一日座位時間:8〜11時間 → 死亡リスクが15%上昇(4時間未満と比べて)
また,アメリカやイギリスの研究では座りすぎ体重増加,肥満,糖尿病,高血圧,脳血管疾患,乳がん,前立腺がんなどリスクを高める要因だと指摘されています。
その他,肩こりや腰痛,姿勢の歪みなどもあります。
https://www.mhlw.go.jp/content/000656521.pdf
(参考)座りすぎのリスクについて【厚生労働省】
②日本人は世界で最も長く座っている
日本人の平均座位時間は、世界最長の7時間という結果がシドニー大学などオーストラリアの研究機関で発表されています。
京都府立医科大学の6万人を超える日本人を対象にした研究でも日中、座っている時間が2時間増えるごとに死亡リスクは15%増えるという結果になっています。さらに余暇の身体活動量を増やしても座りすぎのリスクを完全に抑制できないという結果が出ています。
③30分に一回は席を立とう
座りっぱなしを防ぐために「STAND UP 301(スタンドアップ・さんまるいち)」という運動を実施している企業や自治体などがあります。
自席で集中して作業をしているとどうしても席を立つのを忘れがちになりますが,できれば30分に1回もしくは1時間に1回席を立ちましょう。
- 30分座ったら3分動く
- 1時間座ったら5分動く
なんとなく考え事をしたい時,作業がひと段落した時,こまめに立ち上がるだけでも効果的です。もし立ち上がることがしづらい環境であれば,踵の上げ下ろし運動や太もも,ふくらはぎを揉んだり軽く叩いてみましょう。エコノミークラス症候群の予防方法を参考にした足の運動もおすすめです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170807.html
(参考)エコノミークラス症候群の予防のために [厚生労働省]
ちょっとこまめにオフィスで動く実践例
- 社内で連絡を取り合いたいときは内線を使わず歩いていく
- バランスボールを使う(目立ちますが,導入している会社は多いです)
- 立って仕事をする(昇降式のデスクだと立ったり座ったりと高さを簡単に変更できます)
- こまめにプリントやコピー,ちょっとした雑用をする
- 座りすぎを教えてくれるアプリの活用
④スタンディングデスク
スタンディングデスクとは作業している姿勢を立ったり座ったりと30分程度で交互に行う方法です。この方法であれば作業を中断せず、効果的に対策が行えます。
軽い運動やオフィス周りを歩くのがしづらい方はスタンディングデスクを導入してみてはいかがでしょうか。
スタンディングデスクのメリット
- 腰痛や肩こり、痔等の改善
- 作業を中断せず、集中力が途切れない
- 立つことで眠気の抑制
おすすめは昇降式デスク!
昇降機能のあるデスクは簡単に高さの調整を行うことができます。
電源式、ガス式などがありますが、ボタンやレバーで座っている姿勢から立っている姿勢へとスムーズに切り替えられます。比較的安価な手動式のデスクもありますが、高さの調整が面倒くさく、いちいち力を入れて動かさなければいけません。
頻繁に高さの調整をしたい方であれば電源式orガス式がおすすめです。
⑤まとめ
最後にこの記事で紹介した内容をまとめておきます。
- 座りすぎは死亡リスクが高まる
- 日本は世界一座っている
- 30分に一回立つことで、予防になる
- エコノミークラス症候群の予防方法がおすすめ
- スタンディングデスクがおすすめ
社内では立ったり歩いたりなど、ちょっとしづらいかもしれません。また自分一人だけデスクや椅子を変えたりするのも人目があるのでしにくいかもしれません。ただ、ずっと座り続けるという行為はすでに身体に悪いと言われてしまっています。
あなたの身体をいたわるのはあなたしかいないため、ぜひ自分の身体を守るためにどれか一つでも取り入れてみてはいかがでしょうか。