こんにちは!休職者向け心理カウンセラーのいとまです。
人は誰しも幸せになりたいと考えますが、実際うまくいかないことの方が多いです。
幸せだなと感じられる瞬間はあっても、トータルで考えるとちょっと自分は幸せだと言い切れる人の方が少ないのではないでしょうか。
人が共通して願っている幸せがどうして叶わないのか。なぜ不幸が降ってくるのか。その理由について解説していきます。
結論から言うと人が幸せにになりたいと願いながら、不幸を引き寄せてしまう理由は「自己懲罰意識」が原因です。
自己懲罰意識とは自分の無意識の中にあり、「こんな自分は幸せになってはいけない」という感情のことを指します。
この話を聞いた時、自分はそんなの持っていないと思うかもしれません。
しかし、「自己懲罰意識」は誰もが持っているもので、かつ無意識の中にあるため認識しづらく、また変えづらいものです。
目次
はじめに「無意識の世界」について
18世紀~19世紀にかけて多くの心理学者によって、「無意識の世界」について研究され、仮説が述べられています。
代表的な心理学者 | 内容 |
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ジークムント・フロイト | 無意識の発見やリビドー論、心理性的発達理論などを唱えたことで知られ、現在の精神分析学や心理学の基礎を築いた。 |
カール・グスタフ・ユング | フロイトの影響を受けるが,のちに分析的心理学を創始した。 人間の心を意識と無意識に分け,無意識部分をさらに個人的無意識と普遍的無意識に分けた。 |
アルフレッド・アドラー | オーストリアの心理学者であり、心理療法家。人間の行動や心の動機について説明するアドラー心理学(個別心理学)を提唱。 |
これまで多くの研究や仮説が述べられていますが、共通する内容は以下の三つになります。
①「無意識」の世界の状態は、我々の「意識(表層意識)」の世界からは明確に自覚できない
②「無意識」の世界の力は強く、それが「意識(表層意識)」の世界に大きな影響を与えてしまう
③「無意識」の世界に働きかけて意識的に変えることは容易ではない
無意識で思っていることは自覚しづらいですが、実際に無意識であるからこそ、現実の人生の選択など誤らせてしまうことがあります。
また、ネガティブな想念はこの「無意識の世界」にあるため、意識的に変えていくことが難しいです。
表面の意識でいくらポジティブな想念を思っていても、運気が悪くなる原因のネガティブな想念があるのが「無意識の世界」ですから、そこに影響を与えること自体難しいです。
悪い運気の理由は無意識の中の「自己懲罰意識」が原因
過去の人生において、自分を責めざるを得ない出来事があったとき、それが強いトラウマ(心的外傷)となって無意識の世界に固着します。その無意識の世界に生まれる「こんな自分は幸せになってはいけない」という感情(自己懲罰意識)が自分の人生や行動に影響を与えてしまいます。
自己懲罰意識が生まれる流れ
①自分を責める出来事(強いトラウマ)を体験する
②トラウマが無意識の世界に堆積し、固まってしまう
※①~②を繰り返す。
③トラウマから自己懲罰意識が芽生える
④不幸な出来事を引き寄せる
⑤自分の人生や行動に悪い影響を与える
【例】
「幸せな結婚がしたい」と思いながら→相性の悪い相手と巡り会ってしまう
「良い仕事に就きたい」と思いながら→大変な職についてしまう
「ゴキ〇リが部屋に出てほしくない」→出てしまう
などなど、無意識の中にある自分を否定する感情が、人の行動や現象に影響を与えてしまっていると言えます。
逆に、無意識の中に「自己肯定感」や「自己尊重意識」があるとそのポジティブな想念が幸運を引き寄せてくる。(「自分ならできる」「自分には価値がある」といった感情)
無意識の中に「自己肯定感」の感情を生み出せれば良い運気を引き寄せることが出来ますが、意識と無意識の自分にはだいぶ隔たりがあるので、「無意識」の世界に働きかけて意識的に変えることは容易ではありません。
意識と無意識の自分は全然異なっている
- 表面意識の人格:一人の人間が表面的に表している姿
- 無意識の人格:心の奥底に潜む姿
この二つの意識にはだいぶ異なっており、対極である場合も珍しくありません。
【例】
普段内気な女性が→極限的な状況ではすごく強い
自己肯定感が高そうな男性が→病気を宣告されると弱弱しくなってしまう
などなど
「無意識を変える方法」は様々な書籍や文献で紹介されている
【無意識の世界をポジティブな想念で満たす方法が紹介されている書籍】
- ジョセフ・マーフィー:「眠りながら成功する」
- ナポレオン・ヒル:「思考は現実化する」
- ロンダ・バーン:「ザ・シークレット」
- 小林正観:「宇宙を貫く幸せの法則」 などなど
【共通している内容】
- ポジティブな想念を強く抱く
- ポジティブな言葉を何度も語る
- ポジティブな言葉を書いて繰り返し見る
- ポジティブなイメージを心に焼き付ける
【例】
新たに起こした事業に成功したければ、
→「この事業は必ず成功すると心に強く抱く」
→「この事業は必ず成功すると何度も語る」
→「この事業は必ず成功すると書いて壁に貼る」
→「この事業は必ず成功すると具体的にイメージする」
しかし、実際にこれらの方法でうまくいく人は限られていて、中にはやってみたけどうまくいかなかった人も多くいると思います。
ポジティブな想念を抱いているのに、なぜ無意識の世界を変えることが出来ないのか。
それは、大きく三つの理由があります。
無意識を変えることが出来ない三つの理由
- ①無意識の世界にはすでに多くの「ネガティブな想念」が入り続けている。
- ②無意識の世界にはすでに多くの「ネガティブな想念」がすでにしみ込んでいる。
- ③無意識の世界は、表面意識と反対の想念が生まれる「双極的な性質」を持っている。
そのため、ポジティブな想念を抱こうとすると反対にネガティブな想念が生まれてしまう。
①無意識の世界にはすでに多くの「ネガティブな想念」が入り続けている
その理由は、普段何気なく生活していて、メディアの情報や新聞など目にすると思いますが、そこで悲惨な事件や交通事故、病気など多くの不安感を覚えるネガティブな情報が入り続けています。
これらは一種のサブリミナル効果に近く、メディアから大量に繰り返し流される情報によって、気が付かないうちに我々の意識下に不安が刷り込まれ、無意識に大きな影響を与えてしまっています。
【ポイント】
世にあふれる「ネガティブな情報」の洪水によって、「ネガティブな想念」が入り続けている。
【対処方】
メディア、SNSから距離を置く。YoutubeやテレビのCMなどにも強い影響を受けています。
②無意識の世界にはすでに多くの「ネガティブな想念」がすでにしみ込んでいる。
理由として、過去の人生の「ネガティブな体験」があり、それが心にネガティブな想念を固着させている。
例)幼少期親から言われた言葉
子供の頃に親から「ダメな子だね」「どうしてうまくできないの?」など言われ続けた人は表面の意識では忘れていても無意識に「自分はダメだ」という自己否定のネガティブな想念を抱いている。
そのほか、自分の容姿や家庭環境、勉強ができないなど劣等感、挫折感などなど。過去の体験から自分を否定するネガティブな想念がしみ込んでいる。
誰しもネガティブな想念は持っている。
過去の極端な体験がなくてもネガティブな想念、自分を否定する感情は誰でも持っています。はた目には普通に見えていても、心の奥深くには大きなモノを抱えている人は多くいると思います。ただ、その自分を否定する感情に気づかないでいると本来自分が持っている能力が十分に発揮できず、力を委縮させてしまいます。
③無意識の世界は、表面意識と反対の想念が生まれる「双極的な性質」を持っている。
心の世界は電気のようにプラスとマイナスが同時に発生しています。
- 表面意識で「ポジティブな想念」を持つと(プラスの電荷を持つと)
- 無意識で「ネガティブな想念」が発生してしまう(マイナスの電荷が発生)
無意識の世界は「双極的な性質」を持ちますが、従来の「無意識を変える方法」が人によって結果が出たりでなかったりする最大の理由がこれにあたります。
つまり、無意識を変えるにはどうすればいい?
従来の「無意識を変える方法」は人によって効果様々で実際結果に結びつく人もいれば、効果が出ない人もいます。
それは「ネガティブな想念」がメディアから「入り続け」過去の体験から「しみ込み」心には「双極的な性質」があるからです。
なので、「無意識を変える方法」として最も大切なことは、
「ポジティブな想念」を抱く方法ではなく、「ネガティブな想念」を消す方法と言えます。
「ポジティブな想念」を浸透させるより、はじめにすることは「ネガティブな想念」に気づきそれを消していくことが重要と言えます。
「ネガティブな想念」を消すことが出来れば、「ポジティブな想念」で満たすことは容易になりますから、そこで従来の様々なの方法が活用できます。
【参考】無意識の「ネガティブな想念」を消す方法↓
まとめ
「幸せにになりたいと願いながら、不幸を引き寄せてしまう理由」について解説させていただきました。
幸せになりたいと思っていても、無意識の中には真逆の感情があって、自分の幸せを自ら邪魔してしまっている。なんとも世知辛い生き物だなと感じますが、人の心の構造がそうなっているので仕方ないかなとも思います。ただ、人の心の構造は理解してしまえば意外と単純です。幸せになれる体質は自分で作り出すことが出来ます。
自己懲罰意識があることが分かったら、口癖をポジティブな言葉に変えたり、ネガティブな想念を消す方法など実践してみて幸せを引き寄せる体質になっていきましょう。